加藤七宝

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三代目見習い日記

絵の具たき

2009年 7月 11日

先日あった、七宝の釉薬(七宝に使う絵の具)を作る作業のことを書きます。
作業は、だいたい年に2回、愛知県七宝町にある「アートヴィレッジ」で行います。今回は炉のテストのために急遽やることになりました。
基本的にそれぞれの窯元が、作りたい釉薬の原料を独自に調合をしたものを、アートヴィレッジにある釉薬焼成炉にて焚き込みます。1200℃以上になっているるつぼに、窯元によって若干の差がありますが、だいたい一杯あたり27kgほどに調合した原料を何回かに分けて投入して、トータル4時間半程度焚き込むと、原料はすっかり融けて水飴状のガラスになります。
僕の勝手なイメージですが、炊き込みご飯のようなイメージかもしれません。
炊き込みご飯は、お米に色んな具材や味付けをして炊飯器で1時間くらい炊き込む
と出来上がりますけど、釉薬もガラスの基本材料となる原料に、様々な鉱物
(赤色なら金、紺色ならコバルトなどなど)を加えて調合したものを、るつぼで長時間炊き込むことによって出来上がります。

*七宝の釉薬 これを乾燥させ砂状にしたものが七宝釉薬です
 毎回全体で60杯ほど集まった釉薬を窯元の人たちで分担して作業します

*るつぼからくみ出しているガラス
(1200度以上あるものを、冷水の中に入れて急冷します。)
ちなみに、12時間の交代制で1週間以上続けられます。
汗が滝のように流れ出るので、僕は、毎回Tシャツを3回は着替えますが、機械制
御されていない頃は、とてつもなく熱く大変な作業だったそうです。

posted by Yoshiro Kato

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