加藤七宝

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三代目見習い日記

8寸口細形の梅詰花瓶の施釉

2009年 8月 18日

塗り込みの工程から絵の具を施していく「施釉」の工程です。
銀線の内側と外側にそれぞれの色釉薬をいろんな大きさの筆やホセと呼ばれるへらなどを使って、一カ所一カ所ていねいに色付けしていくのですが、滞りなく作業を進めるにはかなりの熟練が必要になります。
まず一番のポイントとなるのは釉薬の水分量で、多すぎれば流れてしまいますし、少なすぎれば釉薬が思うように動かないため、常に適当な水分量をコントロールしながら作業することが求められます。
額などの平面状の場合は少々水分量が多めになっても、水平ですので施した釉薬が流れ出て模様が台無しになることはほとんどありませんが、立体の場合は常に作業面を水平に維持しての作業になりますので、「馬」と呼んでいる専用の手作り作業台などを使って、安定した状態を維持しながら作業しています。
今回紹介している8寸口細形の花瓶は、形が球体に近いため水平を維持することにとても気を使いました。
全ての部分に釉薬を施したら、しっかりと乾燥させてから800℃程度の温度で焼成します。
また、釉薬は銀線の高さを少し超えるくらいに施します。
写真のようにもりもりな感じに釉薬を施しておいても、焼成するとかなり収縮して銀線がまだまだ飛び出た感じになります。
施釉と焼成を何度か繰り返し、焼成した状態で銀線が全て釉薬で覆われるくらいの高さになるまで繰り返していきます。
次回、焼成の模様を予定しています。

posted by Yoshiro Kato

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