加藤七宝

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三代目見習い日記

菊詰め 彩色

2011年 2月 8日

先日の植線からの続きを更新したいと思います。
今回は、彩色の作業です。
細かく銀線を立てた花瓶を一度炉に入れ、線がとれないように焼き付けた後、いよいよ釉薬をさしていきます。
この作業も気の遠くなる作業ですが、一カ所ずつ根気よく丁寧にそれぞれの色をさしていきます。

細部にまで注意を払います。菊の中心と葉にはすべてグラデーションを施しています。

葉の部分で5色程度、花の部分で4色程度の釉薬を使用しています。
絵の具がさしやすいように、すべての絵の具は常に手元に置いてあります。

口元にも絵の具をさしたら、一通り花瓶一周彩色の完成です。
植線ほどではないですが、この作業も何日もかけて少しずつ完成させました。
次回、焼成後の様子をお楽しみに。

posted by Yoshiro Kato

新作の途中

2010年 12月 6日

今、「菊詰め」の新作を父・勝己が製作中です。
今回の菊詰めは赤透け(赤色透明釉)をベースにした、高さ約20センチくらいの花瓶です。
写真は、赤のベース加工を終えた状態の素地全体に銀線を立てた様子ですが、非常に細密な作業で、銀線を立てるだけで途方もない時間がかかっています。
こつこつと一ヶ月以上かけて、植線を終わらせたようです。
ここまで手をかける作品は、なかなかお目にかかれないと思います。
いつ完成するか分かりませんが、今後の展開はまたアップしていきたいと思います。


posted by Yoshiro Kato

100歳のお祝い記念品

2010年 9月 18日

数ヶ月前の新聞記事に、愛知県から毎年送られている「敬老の日のお祝い品」についての記事がありました。
これまで、愛知県内で100歳を迎えられた方々には、県からのお祝いとして現金と記念品がプレゼントされていましたが、今年は変更して花束と愛知県ならではの伝統工芸品をということになり、「尾張七宝」もその一つに検討されている、とありました。
それからしばらくして、取引先の方からこの記念品についてのお仕事のお話を頂き、当製作所からもいくつか見本をお出ししておりました。
県内の他の工芸品を含めいろいろと候補作品があった中、その記念品として最終的に選ばれたのが、当製作所の「尾張七宝額 かきつばた」でした。
かきつばたは愛知県の県花です。

9月20日の敬老の日を前に、神田知事が数えで100歳を迎えられた方を訪問し、花束と記念品であるかきつばたの額を贈られた様子が、先日名古屋の主要放送局のニュースで放送されていました。
一つ一つ心を込めて製作した品が、こうして記念品として使われている様子を目の当たりにする機会はなかなかあることではないので、ニュース映像で額が映っている様子を見たときは感慨深い思いでいっぱいになりました。
名古屋市内の方々にはすでに、お手元に届いているそうで、100歳を迎えられた方々に奇麗な作品だと喜んでいただけたら嬉しいなと思います。
また「かきつばた」の花言葉の中には「幸福」や「幸運」というものが含まれています。受け取っていただいた方々には、さらにお元気でご健康であられることを願っています。
最後に、規模が大きなお仕事とあり、打ち合わせから納品に至るまで、取引業者の方や関係各位の皆様方には大変お世話になりました。この場をおかりしてお礼申しあげます。
誠に有り難うございました。

posted by Yoshiro Kato

「平城京遷都1300祭」 大極殿擬宝珠

2010年 6月 18日

今年2010年、平城京が誕生してから1300年を迎え、奈良では、「平城遷都1300年祭」
という記念行事が行われています。
この度、ご縁があり、大極殿の復元工事の一部に関わらせて頂きました。

内容は、大極殿の「擬宝珠(ぎぼし)」の製作です。
「擬宝珠」とは、伝統的な建築物の装飾で橋や神社、寺院の階段、廻縁の高欄(手すり、欄干)
の柱の上に設けられている飾りのことです。また、ネギの花であるネギ坊主のことでもあります。
ネギのもつ独特の臭気が魔除けにもなると信じられ、その力にあやかって使われるようになった
とする説もあります。


大極殿のまわりを囲み、70個以上の擬宝珠の製作をさせていただきました。
飾り金具の中心にある、赤・白・黄・紺・黒の5色の玉が七宝製で、そのうち3色が当方で製作したものです。
お話を頂いてから半年以上かけ、様々な苦労を重ね完成に至りました。
特に、七宝部分は完全な球体であるが故に、焼成時に釉薬がめくれ落ち何度も焼き直したり、研磨でも専用の道具を自作したりと、かなり試行錯誤しました。
苦労を重ねた分、無事完成し歴史ある建造物の一部になっている姿を見ると感慨もひとしおです。
改めて、歴史ある「平城遷都1300年記念行事」に関われたことに感謝するとともに、
平城宮跡等の歴史的・文化的意義を国内外の方々と改めて確認し、日本の歴史文化を
少しでも多くの方々に発信できることを期待しています。

平城京の正門である、朱雀門を背景に撮影

なお、この記事についてさらにご興味のある方は、こちらからもご覧頂けます。 
「平城遷都1300年祭」HP  http://www.1300.jp/

posted by Yoshiro Kato

絵の具たき

2009年 11月 10日

少し前になりますが、絵の具たきの仕事がありました。
絵の具たきと言うのは、七宝で使用する釉薬の元を作る仕事で,それはそれぞれの窯元が独自の調合で合わせた釉薬原料を1200℃を超える坩堝の中に投入して、しっかりガラス化するまで5時間程度焚き込み作られます。


この写真は、しっかり原料が融け合って水飴のような状態になった釉薬をくみ出している模様で、一杯あたり、25㎏程度の量をすべて水の中にくみ出して急冷します。
釉薬の表面温度は1300℃を超えることもあり、かなりの汗が噴き出してきます。

写真のものは透明釉薬で、焚き上がった釉薬をしっかりと乾燥させてから、粉砕していき粒子を揃えれば七宝釉薬として完成します。
透明釉薬は、顔料を混ぜて作るさまざまな色釉薬を作るときにも使われ、使用量の多い基本となる釉薬です。

posted by Yoshiro Kato

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